HTML5とは、HTMLのバージョン5、改訂第5版です。
ウェブページを作成する際、以前にはHTML 4.01やXHTML1が標準的に利用されていましたが、
現在は次世代のウェブ環境に合わせて仕様策定されたHTML5が標準となっています。
HTML 4やXHTML1の目的は、HTMLタグで構造付けされたHTML文書を作成することでした。
これらのバージョンのHTMLでは、作成された情報をただ公開している分には良いのですが、
ユーザーの操作に反応してなんらかの情報処理をする、いわゆるウェブアプリケーションを作成するには機能不足な面がありました。
HTML5では、これまでのHTML 4と同じようなHTML文書を作成する機能が改良されているのに加えて、ウェブアプリケーションを開発するための様々な仕様が新たに盛り込まれています。
今までプラグインなどのHTML以外の技術を併用しないと実現できなかった機能のいくつかが、標準のHTMLやJavaScriptで比較的シンプルに実現できるようになっています。
HTMLの開発は、1999年12月24日にHTML 4.01が勧告された時点で中断されていました。
HTML 4.01は完成度が高く、当初はそれで問題無かったのですが、ウェブの進化にともなって、次第により複雑な機能を持ったウェブアプリケーションへの需要が高まっていきます。
HTML 4.01はHTML文書の作成に主眼が置かれていますが、それだけではウェブの現状にマッチしなくなってきたのです。
そうしたウェブの進化に合わせて、Apple、Mozilla、OperaなどのブラウザベンダーはHTMLの拡張を唱えるようになります。
これらのブラウザベンダーは、2004年6月にHTMLの拡張を目指す新しい団体 WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)を立ち上げ、独自に次世代HTMLの在り方を検討するようになります。
ここで検討されていた内容が、HTML5のドラフト(草案)のベースになりました。
W3Cは、2007年3月にHTMLの改正を目的としたHTMLワーキンググループを設立します。
W3CとWHATWGは協力してHTML5の仕様を策定するようになり、2008年1月にドラフト(草案)を発表しました。
長い時間をかけて仕様が検討され、ついに 2014年10月28日に HTML5 が勧告されました。
さらに、2016年11月1日には、HTML5の修正版 HTML 5.1 が勧告されました。
HTML5の勧告に至るまでのあいだにも、各ブラウザはHTML5の仕様を先行サポートしていました。
そして、それに合わせてウェブ制作者たちもその時点で使える仕様を先行利用していました。
そのため、勧告日の2014年10月からHTML5によるウェブ開発が始まったというわけではなく、
実際の開発現場ではその何年も前から徐々にHTML5に移行してきています。
現在、すでにHTML5がウェブ標準となっています。
これからウェブ開発を始める場合、特別な理由が無ければHTML5の仕様に沿って開発するのが一般的と言えるでしょう。
近年はスマートフォンやタブレットでウェブサイトを閲覧するユーザーが増えていますが、
スマートフォンやタブレットはHTML5への対応が早いため、そうした面からもHTML5を採用しやすい状況になっています。
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