仮想通貨のマイニングとは?やり方3選や仕組みまで解説

仮想通貨のマイニングとは、簡単にいうと、仮想通貨の取引を成り立たせることで報酬を得る作業のことです。2021年の仮想通貨バブルで様々なコインが高騰した当時、仮想通貨の億り人が続出し、マイニングに興味を持つ投資家が増えました。

そこで「仮想通貨やビットコインのマイニングって何?」「マイニングのやり方や仕組みも知りたい」と思う方もいるでしょう。この記事では、仮想通貨やビットコインのマイニングについて、分かりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

仮想通貨のマイニングとは?

仮想通貨のマイニングとは、取引を承認し、取引データをブロックチェーンに保存し、新しい仮想通貨を報酬として貰うプロセスのことを指します。マイニングは採掘という意味があります。

仮想通貨のエアドロップとは別物で、マイニングを行う人のことを「マイナー」と呼びます。ビットコインやイーサリアのような仮想通貨には、日本円のように通貨を発行したり管理したりする国や企業が存在しません。

マイニングの主な目的は、新しいブロックを生成し、そのブロックを既存のブロックチェーンに追加することです。マイナーは、複雑な数学的問題を解くことで、新しいブロックを生成します。この問題を解くためには、膨大な計算能力が必要とされます。マイニングの仕組みは、ビットコインやアルトコインごとに異なります。例えば、ビットコインのマイニングでは、SHA-256というハッシュアルゴリズムが使用されており、マイナーは、このアルゴリズムを使って、マイニングを行います。

マイナーは新規発行の仮想通貨の他に、取引手数料も報酬として受け取ります。仮想通貨の利用者は、自分の取引を優先的に処理してもらうために、手数料を支払うため、マイナーは、手数料の高い取引から処理することで、より多くの報酬を得ることができます。

このように、マイニングは仮想通貨のネットワークを支える重要な作業です。マイナーは、膨大な計算能力を提供することで、新しいブロックを生成し、取引を承認しています。この作業によって、仮想通貨の信頼性とセキュリティが保たれているのです。一部の投資家は仮想通貨の次に流行るものとしてマイニングに注目しています。

コンセンスアルゴリズムの存在

マイニングを理解する上で欠かせない概念が、「コンセンサスアルゴリズム」です。コンセンサスアルゴリズムとは、分散ネットワーク上の全てのノードが、取引の正当性について合意するための仕組みのことを指します。仮想通貨は、中央集権的な管理者が存在しない分散ネットワーク上で動作します。そのため、取引の正当性を確保するためには、ネットワーク参加者全員が共通のルールに従って取引を検証し、承認する必要があります。

この合意形成のプロセスを制御するのが、コンセンサスアルゴリズムです。コンセンサスアルゴリズムには、様々な種類がありますが、代表的なものが「Proof of Work(PoW)」と「Proof of Stake(PoS)」です。

PoWは、ビットコインを始めとする多くの仮想通貨で採用されているアルゴリズムです。PoWでは、マイナーが複雑な数学的問題を解くことで、新しいブロックを生成します。PoSは、イーサリアムの次期バージョンであるETH2.0で採用が予定されているアルゴリズムです。

PoSでは、マイナーの計算能力ではなく、通貨のステーク量に応じてブロック生成の権利が与えられます。より多くの通貨をステークするほど、ブロック生成の機会を多く得ることができます。PoSは、PoWと比べて電力消費が少なく、より環境に優しいとされています。

一方、リップル(XRP)は法人で運営しており、中央集権型なので、運営が選んだ人だけが取引承認できるPoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)を採用してます。コンセンサスアルゴリズムは、仮想通貨の性質を決定づける重要な要素です。それぞれのアルゴリズムには一長一短があり、仮想通貨プロジェクトはその特性を踏まえて最適なアルゴリズムを選択しています。

仮想通貨マイニングの仕組みの流れ

洞窟の中で仮想通貨マイニングが行われる

仮想通貨やビットコインのマイニングの仕組みは、下記の流れとなっています。

  1. ナンス値を発見
  2. トランザクションデータをハッシュ値に変更
  3. ハッシュ値とナンス値を新しいブロックに書き込む
  4. マイニング報酬を獲得

①:ナンス値を発見

マイニングの第一ステップは、ナンス値の発見です。ナンス値とは、一回限りの計算で使用される数値のことを指します。マイニングの過程で、このナンス値を見つけ出すことが、マイナーの主要なタスクとなります。

ナンス値を見つけ出すためには、マイナーは膨大な回数の計算を行う必要があります。ナンス値を少しずつ変化させ、正しいナンス値が得られるまで計算を繰り返すのです。

計算を繰り返し、正しいナンス値を発見した人が、取引データをブロックチェーンに保存することができ、マイニング報酬を得ることができます。

②:取引データをハッシュ値に変更

マイニングの第二ステップは、取引データをハッシュ値に変換することです。これは、新しいブロックを生成する上で欠かせない作業となります。

ハッシュ値とは、データを一定の長さの文字列に変換したものです。具体的には、マイナーは新しいブロックに含まれる取引データを選択し、それらをまとめてブロックのトランザクション部分を作成します。このトランザクション部分には、各取引の送信者、受信者、金額などの情報が含まれています。

ハッシュ値は、元のデータのわずかな違いでも大きく変化する性質を持っています。これにより、トランザクションデータの改ざんを防ぐことができます。もし誰かがトランザクションデータを変更しようとしても、ハッシュ値が変わってしまうため、すぐに発見できるのです。

③:ハッシュ値とナンス値を新しいブロックに書き込む

マイニングの第三ステップは、計算されたハッシュ値とナンス値を新しいブロックに書き込むことです。これは、新しいブロックを生成し、ブロックチェーンに追加するための最後の作業となります。

前のステップで、マイナーは新しいブロックのトランザクション部分のハッシュ値を計算し、そのハッシュ値を含むブロックヘッダーのハッシュ値を計算しました。また、ブロックヘッダーには、ナンス値と呼ばれる一回限りの数値も含まれています。条件を満たすハッシュ値とナンス値の組み合わせを見つけ出したマイナーは、それらの値を新しいブロックに書き込みます。具体的には、ブロックヘッダーに、計算されたハッシュ値とナンス値が記録されます。

提案されたブロックが正当であると認められれば、各ノードは自分のブロックチェーンの最後にこのブロックを追加します。こうして、新しいブロックがブロックチェーンに次々と連なっていき、分散台帳としての役割を果たしていきます。

これがマイニングの一連の作業です。

④:マイニング報酬を獲得

マイニングの最後のステップは、マイニング報酬の獲得です。これは、マイナーがマイニングの成果として受け取る仮想通貨のことを指します。

マイナーは、これまでの一連の作業を行うと報酬を得ることができ、この報酬は、新しく発行された仮想通貨と、そのブロックに含まれるトランザクションの手数料の合計です。この報酬は、マイニングの競争に勝ち抜いたマイナーのみが得ることができます。つまり、条件を満たすハッシュ値を最初に見つけ出し、新しいブロックをネットワークに提案したマイナーが、報酬を独占するのです。

ただし、ビットコインや特定の仮想通貨には、報酬の「半減期」という仕組みがあります。例えば、ビットコインでは、210,000ブロック、約4年ごとにブロック報酬が半減します。半減期は、マイニングの収益性に大きな影響を与えます。報酬が減少すれば、マイニングの採算性は悪化し、一部のマイナーが淘汰されることも予想されます。

仮想通貨マイニングに必要なもの

仮想通貨とマイニング機械

続いて、仮想通貨やビットコインのマイニングに必要なもの4つを紹介します。

  • 高度な計算能力のあるパソコン
  • 適した室内環境
  • マイニングソフト
  • 仮想通貨のウォレット

①:高度な計算能力のあるパソコン

まず一つ目が高度な計算能力のあるパソコンです。マイニングでは、複雑な数学的問題を解くために膨大な計算が必要とされるため、通常のパソコンでは非常に効率が悪くなってしまいます。

具体的に、マイニングに適しているのは、高性能なGPUを搭載したゲーミングPCや、ASIC(アプリケーション・スペシフィック・インテグレーテッド・サーキット)と呼ばれる専用のマイニングマシンです。

GPUは本来、ゲームのグラフィック処理を高速に行うために設計されたものですが、その並列計算能力がマイニングに適しています。一方、ASICはマイニング専用に設計された集積回路で、特定のアルゴリズムに特化した計算を非常に高速に行うことができます。

ASICの登場により、GPUマイニングの収益性は大きく下がりました。現在では、ビットコインのマイニングはASICが支配的で、GPUマイニングはイーサリアムなどの一部のアルトコインやミームコインで使われてます。マイニングマシンは発熱量も非常に大きいため、適切な冷却システムが必要不可欠です。

②:適した室内環境

高性能なパソコンと並んで重要なのが、マイニングに適した室内環境です。マイニングマシンは、高い計算能力を維持するために多くの電力を消費し、その結果、大量の熱を発します。この熱をうまくコントロールできなければ、マシンの性能低下や故障の原因になりかねません。

理想的なマイニング環境は、温度と湿度が適切に管理された、広くて換気の良い空間です。具体的には、室温を25℃前後に保ち、湿度を50%以下に抑えることが推奨されています。これにより、マシンのオーバーヒートを防ぎ、安定した動作を維持することができます。しかし、一般的な住宅環境でこれらの条件を満たすのは容易ではありません。マイニングマシンは、通常のパソコンとは比べものにならないほどの熱を発するため、部屋の温度はすぐに上昇してしまいます。

この問題に対処するために、多くのマイナーは専用の冷却システムを導入しています。例えば、強力な排気ファンを設置して熱気を外に逃がしたり、エアコンを常時稼働させたりする方法があります。熱の問題と並んで重要なのが、ホコリ対策です。マイニングマシンは、高速で回転するファンを多数搭載しているため、ホコリを大量に吸い込みやすくなっています。ホコリがマシンの内部に蓄積すると、熱の放散を妨げ、故障の原因になります。

マイニングに適した室内環境を整えるには、冷却、除塵、電力供給など、多岐にわたる準備が必要です。

③:マイニングソフト

3つ目に必要なものは、マイニングソフトです。マイニングソフトは、ハードウェアを制御し、実際のマイニング作業を実行するためのプログラムです。

マイニングソフトは、マイニングの中核を担う重要なコンポーネントです。ハードウェアの性能を最大限に引き出し、効率的にマイニングを行うためには、適切なマイニングソフトの選択が不可欠となります。マイニングソフトには、様々な種類のものがあります。例えば、CGMinerやBFGMinerは、GPUやASICでのマイニングに広く使用されているソフトウェアです。また、イーサリアムのマイニングでは、Claymoreや PhoenixMiner などの専用ソフトウェアが人気です。

マイニングソフトの選択に際しては、自分がマイニングする仮想通貨や、使用するハードウェアとの互換性を確認することが大切です。また、ソフトウェアの設定も重要です。ハッシュレートを最大化しつつ、ハードウェアの負荷やエラーを最小限に抑えるような設定が求められます。

④:仮想通貨のウォレット

4つ目は、NFTゲームMove to Earnをやる際にも必要な、仮想通貨のウォレットです。ウォレットは、マイニングによって獲得した仮想通貨を保管し、管理するためのツールです。仮想通貨のウォレットには、大きく分けて2種類あります。一つは、ソフトウェアウォレットです。これは、メタマスクのようにパソコンやスマートフォンにアプリケーションをインストールして使用するタイプのウォレットです。

もう一つは、ハードウェアウォレットです。これは、USBデバイスのような専用のハードウェアに秘密鍵を保管するタイプのウォレットです。マイニングで得た仮想通貨を保管する際は、セキュリティを最優先に考える必要があるため、ハードウェアウォレットの使用が推奨されます。

もしウォレットを持っていない場合は、メタバース仮想通貨のThe SandboxのガバナンストークンであるSANDを含め、種類が豊富なコインチェックがおすすめです。

仮想通貨のマイニングのやり方3選

クリプトマイニング

仮想通貨やビットコインマイニングは主に3種類あります。個人でもできるマイニングもあるので、それぞれ分かりやすく解説していきます。

  • ソロマイニング
  • プールマイニング
  • クライドマイニング

①:ソロマイニング

まず一つ目が、ソロマイニングです。ソロマイニングとは、個人で単独でマイニングを行うことを指します。自分自身のマイニング機器とソフトウェアを使って、仮想通貨ネットワークに直接参加するのです。

  1. マイニング用のハードウェア(PC)を準備する
  2. マイニングソフトウェアをインストールし設定する
  3. 仮想通貨ウォレットを用意し、マイニング報酬の受取先アドレスを設定する
  4. 仮想通貨ネットワークに接続し、最新のブロックチェーンデータを同期する
  5. ソロマイニングを始める
  6. 報酬と取引手数料を受け取る

ソロマイニングの最大のメリットは、マイニング報酬を独占できることです。新しいブロックの生成に成功すれば、そのブロック報酬と取引手数料の全てを自分のものにできます。また、マイニングプールのような中間組織を介さないため、手数料の支払いが不要なのも利点の一つです。

ただし、現在のマイニング環境では、ソロマイニングが成功するのは非常に難しくなっています。特に、ビットコインのような儲かる仮想通貨では、膨大な資金力を持つ大規模なマイニング組織が存在し、個人のマイナーが新しいブロックを生成する確率は極めて低くなっているのです。

知名度の低い未来の1000倍仮想通貨や、マイナーの競争が比較的緩やかな通貨では、ソロマイニングが有効な場合もあります。

②:プールマイニング

2つ目はプールマイニングです。プールマイニングとは、複数のマイナーが協力してマイニングを行い、報酬を分配し合う方式のことを指します。

  1. 信頼できるマイニングプールを選択する
  2. マイニングプールのウェブサイトでアカウントを作成する
  3. マイニング用のハードウェアを準備する
  4. マイニングソフトウェアをインストールする
  5. マイニングソフトウェアの設定で、選択したプールのサーバー情報を入力する
  6. 自分のウォレットアドレスをプールのアカウント設定に入力する
  7. プールマイニングを始める
  8. プールの管理画面で、自分の貢献度や収益を確認する

ここ数年、ソロマイニングで報酬を得ることが非常に難しくなっています。特にビットコインのようなメジャーな通貨は、個人マイナーが太刀打ちできません。こうした状況下で、多くの個人マイナーがプールマイニングを選択しています。

プールマイニングの大きなメリットは、安定した収益が期待できることです。ソロマイニングでは、新しいブロックの生成に成功しなければ報酬が得られませんが、プールマイニングでは、プール全体の成果に応じて報酬が分配されます。

ただ、プールの手数料率に注意が必要です。手数料率が高すぎると、せっかくの収益が手数料で大きく減ってしまうため、手数料率と提供されるサービスのバランスを見極めることが大切だと言えるでしょう。

③:クライドマイニング

3つ目は最もハードルの低いクラウドマイニングです。クラウドマイニングとは、マイニングに必要な機器やインフラを自分で用意せず、クラウドサービスを利用してマイニングを行う方式のことを指します。

  1. 信頼できるクラウドマイニングサービスを選択する
  2. クラウドマイニングのウェブサイトでアカウントを作成する
  3. 希望するマイニングプランを選択する
  4. 選択したプランの料金をクレジットカードや仮想通貨で支払う
  5. 自分のウォレットアドレスをクラウドマイニングのアカウント設定に入力する
  6. クラウドマイニングを始める
  7. クラウドマイニングサービスのダッシュボードで状況や収益を確認する

クラウドマイニングの最大のメリットは、高額な初期投資が不要な点です。マイニング機器の購入や、電力・冷却コストの負担など、マイニングに必要な初期費用を抑えることができます。また、機器の維持管理やトラブル対応も、クラウドサービス提供者が行うため、技術的な知識がなくてもマイニングに参加できるのです。

クラウドマイニングの収益性は、仮想通貨の価格や難易度の変化に大きく左右されます。契約時の計算では採算が取れると思われても、状況の変化によっては損失を被る可能性もあるのです。長期的な価格変動やサービス終了などのリスクを考慮する必要があります。

仮想通貨のマイニングが儲かりにくい理由4選

発掘されたビットコイン

先ほど3種類のマイニングのやり方を解説しました。しかし、実際マイニングは儲かりにくいのが事実で、ここではその理由について解説します。

  • 莫大な電気代がかかる
  • 半減期による報酬の低減
  • 価格変動による報酬の増減
  • マイナーの増加で難易度が上がっている

①:莫大な電気代がかかる

まずの理由一つ目が、マイニングに必要な莫大な電力コストがかかることです。マイニングには、高性能なコンピューターが不可欠で、ビットコインのようなおすすめ仮想通貨では、PoWを使い、ASICと呼ばれる専用マシンが主流となっています。これらのマシンは、膨大な量の電力を消費します。

例えば、ビットコインのマイニングに使われるAntminer S19 Proは、一台あたり3250Wの電力を消費します。これは、一般家庭の平均的な消費電力の約3倍に相当します。大規模なマイニング施設では、数千台ものマシンが常時稼働しているため、電力消費量は膨大なものとなります。

マイニングの収益性を計算する上で、この電力コストは非常に重要な要素です。電気料金が高い地域では、マイニングの採算が取れなくなる可能性があります。実際、多くのマイニングオペレーターは、電気料金の安い地域を求めて世界中を移動しているのが現状です。

さらに、マイニングマシンの性能向上に伴い、消費電力もますます増大しています。ビットコインのマイニングに使われるASICの性能は、数年ごとに10倍以上の速度で向上しています。これに伴い、電力消費量も増加しているため、採算が合わず撤退する人も多いでしょう。

②:半減期による報酬の低減

マイニングが儲かりにくくなっているもう一つの大きな理由が、半減期による報酬の低減です。多くの仮想通貨は、時間の経過とともにマイニング報酬が減少するように設計されており、これが長期的なマイニング収益に大きな影響を与えています。

半減期とは、新しいブロックの生成に対する報酬が半分になる期間のことを指します。例えば、ビットコインの半減期の場合、最初の半減期は2012年11月で、それまでの1ブロックあたりの報酬50BTCから25BTCに減少しました。その後、2016年7月に次の半減期を迎え、報酬は12.5BTCになりました。現在は3.125BTCとなっています。

ビットコイン以外の仮想通貨も、同様の半減期の仕組みを採用しています。例えば、ライトコインの半減期は約4年ごとに設定されています。一方、柴犬コイン(SHIB)モネロ(XMR)のように半減期がないコインもあります。

半減期による報酬の低減は、マイニングの長期的な収益性に大きな影響を与えます。報酬が半分になれば、同じハッシュレートでも得られる収益は半分になってしまうからです。今後も半減期が設定されている仮想通貨は、マイニング報酬が減少していきます。また、報酬の低減を補うために、取引手数料の比重が高まることが予想されるため、マイニング難易度は上がっていくでしょう。

③:価格変動による報酬の増減

仮想通貨のマイニングが儲かりにくい理由として、価格変動による報酬の増減も見逃せません。ローンチした仮想通貨と同じく、ほとんどの仮想通貨は価格が非常に不安定で、短期間で大きく変動することが特徴です。この価格変動が、マイニングの収益性に大きな影響を与えているのです。

マイニングの報酬は、基本的にはブロック報酬と取引手数料の合計です。このうち、ブロック報酬は新しく発行された仮想通貨で支払われます。つまり、仮想通貨の価格が上がれば、報酬も上がり、価格が下がれば、報酬も下がるということになります。価格変動の影響は、長期的に見ると非常に大きなものとなります。

2017年のビットコイン急騰時には、多くのマイナーが高い収益を享受し、後に仮想通貨の億り人も複数登場しました。しかし、その後の下落局面では収益性が大きく悪化し、多くのマイナーが操業を停止せざるを得なくなりました。

価格変動は、マイニングの収益性を大きく左右する要因であり、かつ難易度調整の仕組みを通じて、マイニング業界の構造にも大きな影響を与えています。価格変動が激しいという特徴が、マイニングが儲かりにくいと言われる要因とも言えます。

④:マイナーの増加で難易度が上がっている

仮想通貨のマイニングが儲かりにくくなっているのは、マイナーの増加に伴う難易度の上昇も一つの原因です。仮想通貨の価格上昇や、マイニングへの関心の高まりを背景に、多くの新規参入者がマイニング市場に押し寄せています。この結果、ネットワーク全体のハッシュレートが上昇し、マイニングの難易度が大きく上がっているのです。

マイニングの初期段階では、一般的なPCでもマイニングが可能でした。しかし、需要が増加して、マイナーが増えたことで、より高性能な機器が必要とされるようになりました。特に、ASICと呼ばれる専用マシンの登場は、マイニング業界に大きな変化をもたらしました。

マイナーの増加は、マイニング報酬の分散にも影響を与えています。新規参入者が増えれば、同じ報酬を多くのマイナーで分け合うことになり、1人当たりの報酬は減少します。特に、半減期による報酬の減少と合わせて考えると、個人マイナーの収益性は大きく圧迫されるでしょう。

仮想通貨のマイニングに関するQ&A

イーサリアムマイニング

最後に仮想通貨やビットコインのマイニングに関するよくある質問に対して、Q&A形式で解説します。

ビットコインの現在のマイニング報酬は?

2024年5月時点のビットコインのマイニング報酬は、3.125 BTC です。同4月20日に第4回ビットコイン半減期が完了したことで、マイニング報酬は従来の6.25 BTC から半減しました。ビットコインは21万ブロック生成されると半減期が訪れ、マイニング報酬が半分になります(約4年に1度ペース)。次の半減期は2028年と予想されます。

マイニングの報酬に税金はかかりますか?

マイニングで得た利益には、一定の条件の下で税金が課されることに注意が必要です。
個人がマイニングで得た利益は、税法上「雑所得」として扱われます。この雑所得が年間20万円を超える場合、確定申告を行い、所得税を納める義務が生じます。

仮想通貨のマイニングについてのまとめ

イーサリアムとマイニング場

ビットコインの成功者が増えていく中、新しく仮想通貨のマイニングについて勉強したい方向けに、必要なものや仕組み、やり方などを解説してきました。

仮想通貨のマイニングは、新しいブロックの生成と取引の承認を通じて、仮想通貨ネットワークを支える重要な役割を果たしています。しかし、現在のマイニング環境は、電力コストの上昇、報酬の減少、競争の激化など、様々な課題を抱えています。さらに、価格変動による報酬の増減や、税金の問題にも注意が必要です。

マイニングへの参入を検討する際は、これらのリスクと課題を十分に理解し、長期的な視点を持つことが大切です。自分の技術力や資金力、リスク許容度を冷静に評価し、仮想通貨系テレグラム等で適切な情報選択することが求められます。

マイニングは、仮想通貨の発展と普及に貢献する重要な営みです。リスクと課題を理解しつつ、自分に合ったやり方でマイニングに取り組むことが、マイニング成功への鍵となるでしょう。